フサキ日記
2025年08月04日
大浜豊年祭とアンガマへの誘い
写真 | 大石定治と大浜青年会「アンガマ」の踊り
撮影 | 北島清隆さん
東洋では昔から、人間にとって肉体的にも精神的にもよいことは、最初は多少の抵抗を克服しなければならないとしても最終的には快いものでなければならない、と考えられていた。
– エーリッヒ・フロム「愛するということ」
[鈴木晶 訳(新装改訳版)、紀伊国屋書店、2020年、pp166-167]
「巴里(パリ)にては夏のさかりに夕立なし」「紐育(ニューヨーク)にては稀に夕立ふることあり」と言ったのは永井荷風でした。はて、石垣島の夏の盛りにはまさに夕立あり、であります。
夕立は恵みの雨。
今日の夕方、「豊年祭や祭りの季節には俄雨がいつも降りますからね」と教えてくれたのは音響担当の宮良さんです。豊年祭がやってくると、彼は実に生き生きとしています。石垣島・宮良集落に代々住む宮良さんは「死ぬ気で豊年祭に行ってきます」と今年も私に言っていました。その集落の豊年祭の祈りの厳格さは凄まじく、ほぼ三日三晩、家に帰らず御嶽で祈りうたいつづけるといいます。でも、豊年祭から戻ってきた宮良さんは生まれ変わったように元気になっているから不思議です。それにしても、豊穣を祈る季節に雨がないなんて、人々の祈りが天に通じないことでしょうから、今の季節に俄雨は不思議なことではなく当たり前なことなんです。
写真 | 大石定治と大浜青年会「アンガマ」の踊りとストーリー
撮影 | 北島清隆さん
古来より、踊りは祈りや男女の社交、コミュニティー形成といった人々の多様な願いと深く結びついてきました。祭りで皆が一体となって踊る光景や、長年の鍛錬によって披露される舞、唄、三線が織りなす一体感やハーモニーは、私たち人間を魅了してやまないものなのでしょう。石垣島の人々はそのことを体で知っているような気がします。頭で考えて知るのではありません。
写真 | 「アンガマ」の魂との触れ合い
撮影 | 北島清隆さん
本日(8月3日)は「大浜の」「あの」豊年祭です。ここフサキビーチリゾートのカーチバイ・ステージやIsland Echoのビーチライブに出演している大石定治さんと大浜青年会の皆さんにとって大切な「行事 / 祭りの/ 祈り」の日々が続いています。ここ八重山も日本本土と同じく古くからさまざまな農耕儀礼が行なわれて来ました。儀礼は豊作を神に祈願し、集落に住む人々の健康祈願、幸福を願う一種のコミュニティー活動です。人々にとっては一年に一度のハレの日が石垣島にやってきています。
多くの市民・観光客で賑わう大浜の豊年祭。昼の2時ごろから夜の8時ごろまで祭りは続きます。地域に住む子供たちの踊りや鼓笛隊、老若男女の伝統的な衣装に包まれた人々の踊り、旗頭ガーリー、大綱の中央で勇壮なツナヌミンの舞、祭りの大円団の大綱引き。崎浜道路付近での開催です。
石垣島の東からのぼる月の光が美しい大浜の夜も魅力的です。フサキビーチリゾートから少し距離がありますが、車で30分弱で行けます。祭り、そして、人間と自然、現代の今もなお、人々の心の奥にある祖先とのつながりに興味がある方はぜひ、ぜひです。
そういえば、「大綱引き」の綱の主要な材料はわらです。特に米わらが石垣島でも使われることが多いそうです。「天候不順でなかなかわらが集まらないんですよ」ってステージの袖のゆんたくで大石さんが先々月に言っていたのを思い出します。わらの束を捻って巻いたものを、さらに撚り合わせて太い綱にするそうで、「あの」太い大綱作りも時間をかけて、ゆっくり編まれたものなんだそうです。
フサキビーチリゾートでは、今年9月15日に「アンガマの宴」を大石定治さんと大浜青年会の皆さんをお招きし開催します。石垣島に生きる本物の人たちの「行事 / 祭り/ 祈り」の場をぜひ体験しに来てください。その体験によって、日々の暮らしや仕事で人と人がつながることに意味があると私たちが再発見できると信じています。
– マーケティング部・エンタメ担当:二村俊和
写真 | アンガマと日々の暮らしや仕事で人と人がつながること
撮影 | 北島清隆さん
[アンガマの宴]
日時: 2025年9月15日(月・祝) 21:00〜22:00
金額:入退場自由/観覧無料
場所:フサキビーチ( フサキビーチリゾート内)
出演: 大石定治と大浜青年会
内容: 石垣島の伝統行事「アンガマ」の宴 於 フサキビーチ遍
Link : https://www.fusaki.com/blog/archives/22090
企画制作 : フサキビーチリゾート ホテル&ヴィラズ マーケティング部